※表示している数値、温度、日数等は弊社基準によるものとさせていただきます。
酒造り専用に育成され、厳選された良質の酒造好適米を使用します。飯米に比べて粘り気が少なく、大粒で、心白という米の中心部分が多い米です。麹菌が繁殖しやすく、発酵の過程では低温でも芯までとけて、酒造りがしやすいのが特徴です。しかし、栽培が難しく値段もふつうの米より高くなっています。山田錦・五百万石・さけ武蔵 などを使用します。


酒造りに使用するお米は飯米と同じように精米をします。○玄米=100% とすると ○飯米の精米=91%、○普通のお酒=60〜65%○吟醸酒=40〜55% まで削ります。もともとタンパク質の少ない品種が選ばれている上に、精米によって米粒の外側に含まれているタンパク質、脂肪、ミネラルなどが少なくなるため、これで酒を造ると、くどさのない上品な味になります。


精米をして芯だけになった米を良質な水で丁寧に洗います。水に浸す時間は、米の種類によって異なり、数分から数時間で、適量の水分を含ませます。そして、充分に水を吸わせてから蒸気で蒸し適度な温度まで冷やします。


蒸し米に麹菌を植えて麹を造ります。麹は、さまざまな酵素を生産し、蒸米の溶解、デンプンを分解しアルコール発酵に必要な糖分の供給、酵母の増殖をすすめるための栄養源の供給などを行うとともに、酒の風味を形成します。麹は酒母、もろみに入れて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。


酒母は蒸し米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したものです。日本酒造りには、良い酵母が大量に必要ですから、文字通り「酒の母」と言えます。速醸で仕込むと二週間、また昔ながらの手法【生もと仕込み・山廃仕込み】だと一ヶ月もかけて仕込みます。


ここで日本酒造りの特徴である三段階に分けて仕込みをする段仕込みが行われます。一日目は初添え。翌日は仕込みは無く、酵母はゆっくりと増えていきます。これを踊りと言います。三日目に二回目の仕込み(仲添え)をし、四日目に三回目の仕込み(留添え)をして仕込みは完了します。段仕込みは、雑菌の繁殖を抑えつつ 酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をやりやすくするための独特の方法です。


酒母に麹、蒸し米、水を加えてもろみを仕込みます。日本酒のもろみは、仕込んで1日ほど経過すると仕込んだ水がすべて蒸米に吸収されてしまい、軟らかい固体となります。最初、固体状だったもろみは、麹のはたらきで米のデンプンがすこしずつ分解され糖分に変わっていき、同時に酵母により糖分がアルコールに変えられます。20日〜40日近くの(種類によって異なる)発酵期間で、2割ほどの未分解の酒粕を残し、あとはすっかり液体の酒に変わってしまいます。 このもろみがやがて原酒となります。


清酒もろみの発酵の末期に、酒質を調整する目的で「醸造アルコール」を添加します。現在は、もろみへの添加だけが許されています。もろみの発酵末期に「アル添」すると、発酵が止まり、目的とする酒質に近づけることができ、軽快になります。もろみへのアル添によって、酒質は淡麗になるだけでなく、香りや味の成分が引き出され、香味が高くなり、酒質の保存性も高まります。


発酵の終了した熟成醪(もろみ)を圧搾機にかけ新酒と酒粕に分離します。


圧搾機にかけられ搾られた新酒に全く火入れをしないものが生酒です。生酒は加熱殺菌をしないので、低温での保存が必要です。


貯蔵する前に約65℃で加熱し、殺菌するとともに、酵素の働きをとめて、味を調整します。


火入れをしたお酒は、貯蔵タンクの中で約6カ月(種類によって異なる)貯蔵します。この貯蔵熟成期間中、複雑な成分が微妙にからみあい、まろやかな味わい、馥郁(ふくいく)とした香味の清酒が誕生します。


火入れをせずに貯蔵し、瓶詰めする時だけ1回加熱処理して造られるのが生貯蔵酒です。それに対し貯蔵前に火入れはしても瓶詰め時にはしないのが生詰め酒で、樽酒によく用いられます。


精米から、並行複発酵、段仕込みというとても複雑な工程を経て、約六十日をかけて、日本酒は誕生します。